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6月, 2008

◎6月の月例会のご報告

関連記事: JASTJ活動報告, 2008年

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月例会(6月分)が7月1日、東京大学名誉教授で食品安全委員会委員の唐木英明さんを招いて開かれた。演題は「食品のリスクコミュニケーション なぜ『リスコミ』は失敗するのか?」。

唐木さんは、専門家と一般のあいだでの「リスク」に対するの認識のちがいを指摘。専門家にとってのリスクが確率論的なものであるのに対して、一般人のリスクは「不安」といった感情的判断が加わるという。

また「安心(感性)=小さな安全(科学)+大きな信頼(感情)」という式を示し、“科学”を土台としたリスクコミュニケーションのむずかしさを強調。「『安全』がもっと大きくあってほしい」と、科学者としての希望を語った。

後半の談論では、リスクコミュニケーション関連語への問題提起があいついだ。「リスクにぴたりと合う日本語がない」「“Precaution Principle(用心の原則)”を、“予防原則”とするのは誤り」などの指摘があがった。

中国ギョーザ問題や、産地偽装問題など「食」に関する事件が報じられている。関心の高さの表われか、非会員も多く参加する例会となった。


「食品のリスク・コミュニケーション」

日本のBSE(牛海綿状脳症)全頭検査は世界で最も厳しく、これによって国民の安全は保たれている・・・と信じられていますが、本当にそうなのでしょうか。全頭検査は安全のための科学的検査なのか、それとも消費者の気休めを配慮した浪費なのでしょうか。
今回のテーマは、食品のリスク・コミュニケーションのあり方です。
 
テーマ: 談論会「食品のリスク・コミュニケーション」
講 師: 東大名誉教授 唐木英明氏(会員)
日 時: 2008年7月1日(火)午後6時30分~8時30分
会 場: プレスセンタービル9階 日本記者クラブ宴会場
        千代田区内幸町2-2-1 電話03(3503)2721
唐木英明氏のプロフィール:
東京大学農学部獣医学科において薬理学、トキシコロジー、公衆衛生学を担当。内閣府食品安全委員会において化学物質と微生物のリスク評価とリスクコミュニケーションを担当し、日本学術会議において第二部(生命科学系)部長として政府に対する学術政策の提言を行ってきた。


◎関西月例会のご報告

関連記事: JASTJ活動報告, 2008年


日時:2008年6月3日18:30―20:30
場所:彩都メディア図書館

講師:加藤和人(京都大学人文科学研究所・生命科学研究科准教授)
演題:「ライフサイエンスを映像化する」

サイエンス映像学会/日本科学技術ジャーナリスト会議共催の「関西月例会」が、6月3日(火)、大阪、吹田の彩都メディア図書館で開催された。講師は京都大学の加藤和人准教授。演題は「ライフサイエンスを映像化する」。
 加藤准教授は、自身が制作に関わった映像を交えながら、先端科学の視覚化の試みと理念を熱く語った。発生生物学の研究から生命科学と社会を結ぶ科学コミュニケーションの世界へと自身の活動の中心を移してきた加藤准教授の強みは、科学そのものを扱う「科学者」の世界と「科学を伝える側」の世界の両方を知ること。現場の科学者が最もおもしろいと思う最先端の研究を取り入れ、制作会社やその分野の研究者にうまく関わってもらうようプロデュースすると、「結果として科学の世界に影響を与えられる作品ができる」。季刊生命誌(JT生命誌研究館)や一家に1枚ヒトゲノムマップがいい例だろう。
 しかし「作り続けるだけではいけない」と加藤准教授は言う。今後、サイエンス映像を発展させるためには、「教育現場などで実際に作品を使ってもらい、作り手がフィードバックを受けること」そして、「科学者に使ってもらえるようにすること」も欠かせない。(文:東島仁・桃木暁子)