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Korea Science Reporters Association (KOSRA)
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8月, 2008

◎9月の例会のご報告

関連記事: JASTJ活動報告, 2008年


実社会に役立つ脳研究とは?

9月26日(金)の月例会は、日立製作所役員待遇フェローで脳科学者の小泉英明さんをお迎えして開かれた。演題は「実社会に役立つ脳研究とは? 『イノベーション』の意味と方法論を考える」。

小泉さんは、自然科学と人文・社会科学の両分野を“架橋”するための研究や活動を行っている。理系と文系の研究アプローチの違いから「研究者たちの激論は絶えません」とも。人文・社会科学に多く見られる帰納的研究と、自然科学が得意とする演繹的研究を収斂させていく形で分野統合や社会問題解決を目指している。

“架橋”を可能にするツールが脳研究だ。人間の主観的現象を客観的に解析できるようになった。「現実世界での行動と、夢の中での行動では、脳の活性部位が同じであることがわかってきた」といった研究成果も出てきている。

脳研究は今後、教育学、医学、社会学、経済学など様々な分野に影響を与えていく可能性がある。「自然科学、人文科学、社会科学の間で、研究者たちが使う言葉の定義を明確にしたり、各分野の特徴を理解しあうことも大切」と小泉さんは話した。


テーマ: 「実社会に役立つ脳研究とは?
~『イノベーション』の意味と方法論を考える~」
講 師: 小泉英明氏
(日立製作所役員待遇フェロー、科学技術振興機構社会技術研究開発センター 「脳科学と社会」研究領域総括、東京大学先端科学技術研究センター客員教授)
日 時: 2008年9月26日(金)午後6時30分~8時30分
場 所: プレスセンタービル10階 日本記者クラブ ホール
        千代田区内幸町2-2-1 電話03(3503)2721

小泉氏は、脳の機能の計測を可能とする技術(機能的MRI装置)の研究開発者として知られるだけでなく、科学や教育に深い見識をお持ちの脳研究者です。現在、「脳科学と社会」研究のリーダーとして、これまでの細分化されている異分野の間を俯瞰的に架橋・統合する脳研究を目指しています。
小泉氏によれば、社会が解決を求めている問題で「脳科学」が取り組むべき課題はますます増えています。例えば「やる気や学習意欲の低減」「発達障害の増加とその療育」「倫理・規範意識の希薄化」「グローバル化に起因する格差増大」「英語など非母語の習得の必要性増大」「睡眠障害や肥満」「思いやりの心の欠落」「仮想現実と実世界の混乱」「異常な攻撃行動」「不登校」といった問題、また「原発事故のhuman factor低減」「交通機関の安全確保」「国際紛争の低減」の実現などです。

月例会では「実社会に役立つ脳研究」とはどういうものか、従来の学術研究でないアプローチとして「イノベーション」の意味と方法論を伝えていただきます。脳研究の最前線は話題性があり、日進月歩の分野なので興味深い話が期待できそうです。脳研究の「影」の部分についても、ディスカッションしたいと考えています。