世界有数の地震国である日本で、いまもっとも重要な地震対策は「建物の耐震性の向上」です。15年前の阪神淡路大震災の経験は、古い木造住宅と、老朽化した工場、土木施設などの耐震性の向上が、住民の命を救うための最重要課題であることを教えてくれました。 ところがメディアの地震防災報道は、耐震補強のような地味な話題にはあまり関心を払わず、ともすれば「新しもの好き」「珍しもの好き」的報道に流れやすい傾向があります。それが影響しているのか、国や自治体の地震対策も、本来王道であるはずの耐震補強工事補助への取り組みが弱く「住宅が壊れる前(地震発生前)の補強にはわずかな税金しか出さないのに、いったん壊れた後(地震発生後)の仮設住宅建築や災害復興には湯水のように税金をつぎ込む」といった矛盾がまかり通っています。 本プロジェクトでは、なぜ「耐震補強の重要性」という大切なキーワードが国民に正しく伝えらないのか、その実情や原因を検証したうえで、では伝えるためにどうすればいいのかという方法を模索してみたいと考えています。
プロジェクト名の由来
木造住宅の耐震補強工事が1件あたり平均110万円程度といわれていますから、日本でいま耐震性が不足しているといわれる1000万軒の住宅にこの補強工事が施されると、その金額はおよそ11兆円になります。高額のように感じますが、10年計画なら1年に1兆1000億円、すべて税金投入でやることも可能な金額です。これで10年後には、東南海東海地震が起きても、南関東直下型大地震が起きても、それほど深刻な人的、経済的被害を受けない「真の防災国家」が出来上がる可能性があるなら安いものであるという考え方もできます。「10年間で11兆円を使い、1000万軒の耐震補強をめざす」というのがこのプロジェクトの究極の目標です。
プロジェクトメンバー(JASTJ会員より随時募集中)
○隈本邦彦
○=プロジェクト管理人