第21期修了者 中小路 菫さん(2024年4月記)
私は、地球規模のものづくりをとおして持続可能な社会形成に貢献したいという思いで、ゼネコンの技術開発に従事しています。その中で、技術開発と同時に、地球環境に対する社会全体の関心の向上と正しい知識の普及も重要であると感じています。また元々生物学の教師になることを考えていた時期もあり、サイエンスコミュニケーションに興味がありました。
そのため、錚々たる講師陣の講義を受講でき、さらには、アストロバイオロジーセンターの研究者の方々に取材実習させて頂けるというとても魅力的な本講座を見つけ、慌てて申し込んだことを覚えています。
いざ講義がはじまると、様々なバックグラウンドをもった受講生の皆さんのご意見や思いから学ぶことも多く、「科学」や「ジャーナリズム」に対する捉え方が広がりました。講師陣の皆様の指導が手厚く、最終作品は私の思いを尊重しつつ、何度も添削してくださり、構成から言葉選びまで細かくご指導いただくことができました。
本塾で学んだことを基礎に社内外への発信力を高め、責任を持って情報発信を行い、本当に環境にやさしい技術を社会に普及させていけるよう努めていきます。
中小路 菫
鹿島建設株式会社 技術研究所
地球環境・バイオグループ 副主任研究員
第20期修了者 青松香里さん(2023年7月記)
出版社で医学の参考書をつくる仕事をした後、公的機関の科学メディアに転職。コンテンツ市場の多様化が進む時代に、編集者としてどうキャリアを積んでいけばよいか悩んでいた時期でした。
そんな折に上司からこの塾を紹介され、すぐに受講を決めました。報道のあり方やテキストライティングを体系的に学びたかったことも理由ですが、著名な講師陣のお話を聞けることに魅力を感じたからです。自分の仕事を再考する機会にしたいと思いました。
期待に違わず、科学を伝えるとはどういうことか、ジャーナリズムとはなにかを考え、議論する場をたくさん与えていただきました。文章表現だけでなく、雑誌や映像について学べる回もあります。講義の多くはオンデマンド配信で時間の都合をつけやすく、課題や実習に悪戦苦闘しながらも半年間楽しく受講できました。
生成AIが台頭し、これからの記者や編集者には表現や発信の形式にとらわれない広い視点で情報をまとめ、独自に論じる力が必要になると感じます。この塾でその基本となるスキルや考え方を学び、ほかの受講生からも刺激を受けました。今、思いを新たに編集業に向き合っています。
青松香里
医学系コンテンツ制作・編集
(受講時所属:国立研究開発法人科学技術振興機構)
第15・16期修了者 藤田豊さん(2022年9月記)
香料を創る会社に勤務していたので、香りに関することを文章にしたり、講演会で話したりする機会がありました。その度に、化学的内容を分かりやすく、しかも最後まで飽きずに読んだり聞いてもらったりするにはどうすれば良いのだろうと、考え悩んでいました。そんな時に、科学ジャーナリスト塾の存在を知り、15期と16期の塾生として学ばせていただきました。
定年退職のあと、今は、知人が運営している市民の学びの場で「香りの化学」の講師などをしています。そこで「次回のテーマはこれに絞ろう」とか「事前配布資料のトピックセンテンスはこれだ」などと、塾で教わったことが今でも活きていると実感しています。
私はジャーナリストではありませんが、読んでもらえる文章の書き方とか、科学情報をできるだけ正確に、でも専門家でなくても理解できるように書くにはどうすれば良いか、などジャーナリスト塾で学んだことは、その後の私の人生で大いに役立っています。
この塾の講師陣は第一線で活躍されている科学ジャーナリストの方々ですから、ジャーナリストを目指している方にとってはもちろんですが、科学や文章・映像表現に興味がある方にとっても、たいへん魅力的な内容となっています。他では学ぶことのできない内容満載の塾だと思います。
藤田豊
化学生物総合管理学会 会員
「知の市場」での「香りの化学」講師
調布市地域デビュー推進委員会 委員長
第15期修了者 大西尚樹さん(2022年7月記)
私はツキノワグマなどの野生哺乳類の進化を研究しています。自分の研究成果や関連分野をわかりやすく一般の人たちに伝えたいと考えており、博物館のインタプリター講座やアナウンススクールを受講してきました。2016年に内閣府に出向し東京で生活していた際に、アウトリーチ活動の技術向上のために科学ジャーナリスト塾に入塾しました。
最前線で活躍されるライター講師による講義は興味深く、またいくつかの取材を通じて、そのトピックのエッセンスを抜き出し、それをどう文字に起こしていくかを学びました。塾生の同期には、その後自身の企画を本にまとめて出版したり、実際に科学ジャーナリストになったりした人もいて、実践に即したカリキュラムだったことがわかります。また、自分の研究活動だけでは接点のない人たちと交流を持てたことも貴重な経験です。
コロナ禍を経てWebサイトやオンライン動画での情報提供の場も増えてきました。科学ジャーナリスト塾の講義内容も映像の作り方やWebジャーナリズムなど時代と共に変化しており、こうした柔軟性も魅力の1つだと感じます。
大西尚樹
博士(農学)
国立研究開発法人 森林総合研究所
東北支所 動物生態遺伝チーム長
http://bigwest.sblo.jp/
第15・16期修了者 菊池結貴子さん(2022年6月記)
科学コミュニケーションを仕事にしたい!と思いつつ、ブームの時代と噛み合わず、糸口をなかなか得られなかった頃にJASTJを知りました。水産学専攻だったため、第15期のテーマ「海」も魅力的でした。
塾では伝える科学コミュニケーションのみならず、深掘り時には批判する「科学ジャーナリズム」の考え方を教えて頂き、強烈に興味を惹かれたことを覚えています。当初想定していたアカデミアから、一気にメディアへ進路を定めることになりました。塾では複数の全国紙、テレビなど、さまざまな会社の方とお話をさせて頂きましたが、そんな環境はなかなか余所には無いものだと思います。
一般紙記者を経て、現在は業界誌記者として科学ジャーナリズムを実践しようと奮闘しています。日々難しいことだらけですが、科学ジャーナリスト塾で教わったことやJASTJの存在に端々で導いて頂いています。
菊池結貴子
博士(農学)
日経BP社 日経バイオテク編集部 記者
https://bio.nikkeibp.co.jp/
第16期修了者 小野梨奈さん(2019年8月記)
私は、大学院で宇宙地球物理学修了後、IT企業や女性向けWebメディア運営会社を経て2006年に独立。現在は、Webプロデューサーとして、コンテンツ企画・制作を行っているほか、研究機関のサイエンスアウトリーチ支援に関わっています。
仕事を通じて得た経験やスキルを、科学分野でもっと活かせないかと模索していたところ、偶然「科学ジャーナリスト塾」の募集を知り、すぐに申し込みました。
仕事以外で「課題に取り組み、評価される」こと自体が久々だったので、とても新鮮でしたし、講師である大先輩たちのリアルな経験談やそこで培ってこられたノウハウをお聞きすることができ、ジャーナリズム視点での物ごとの捉え方をたくさん学ばせていただきました。また、バックグランドの異なる受講生の皆さまと知り合うことができたのも貴重な機会でした。
現在は、JASTJの会員になり、月例会などの勉強会に参加させていただいております。機会がありましたら「科学ジャーナリスト塾」を再受講して、さらに学びを深めていけたらと思っています。
小野梨奈
合同会社カレイドスタイル 代表
http://www.kaleidostyle.jp/
第11、12期修了者 早野富美さん(2019年7月記)
当時は脳科学の研究者で、文才がないことに悩んでいた私。「きらりと光る文章で論文を書きたい」という気持ちがきっかけで受講しました。私の思いが叶ったかどうかはさておき、塾で学んだこと、そして講師や塾生などの方々との交流は私のその後の人生を大きく変えました。「科学の魅力を伝える」ことの面白さと、社会的な役割の大切さに気づくことができたのです。
その後、JST(科学技術振興機構)の発行する科学雑誌Science Windowの編集部員を経験し、現在はサイエンスポータル(https://scienceportal.jst.go.jp/)などに執筆しています。
文章の腕を磨くだけでなく、何かを変えたいと思っている方、この塾にはそのヒントがあるかもしれません。
早野富美
サイエンスライター
和洋女子大学および東京家政学院大学非常勤講師
第4期修了者 伊藤恵理さん(2018年7月記)
科学ジャーナリスト塾・元塾生の伊藤恵理です。
当時、大学院博士課程で工学を専攻していたわたしは、現役の研究者が社会に科学リテラシーを伝える必要性を感じ、その方法を学ぶために2005年の第4期科学ジャーナリスト塾に通いました。
現在は、研究職の傍ら、著書「空の旅を科学する」(河出書房新社刊、2016年)、「みんなでつくるAI時代 これからの教養としてのSTEAM」(CCCメディアハウス刊、2018年)を上梓し、科学ジャーナリスト塾での学習の成果を社会に発信しています。
お世話になった先生方と塾生の皆さんには、心より感謝しております。
そして、また機会があれば、ぜひ2度目の受講を果たしたいと思っています!
伊藤恵理
工学博士
日本学術会議 連携会員
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
電子航法研究所 主幹研究員