科学ジャーナリスト賞2018

科学ジャーナリスト大賞(1件)

信濃毎日新聞社編集局 「つながりなおす」取材班 代表 小松恵永(こまつ・けえ)殿 
「つながりなおす 依存症社会」(2017/1/3〜6/29)の連載に対して

[贈呈理由] 薬物やギャンブル、アルコールなど様々な依存症に蝕まれる現代社会を幅広い取材に基づき多面的に捉えた秀逸なキャンペーン報道である。

科学ジャーナリスト賞(3件・順不同)

ドキュメンタリー映画監督・プロデユーサー 佐々木芽生(ささき・めぐみ)殿
「おクジラさま ふたつの正義の物語」(集英社)の著作に対して

[贈呈理由]クジラやイルカ漁への国際的な批判に対し、関係者への直接的な取材に基づき、異なる文化に立脚する多様な視点を提供した好著である。

文筆家 川端裕人(かわばた・ひろと)殿
「我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な『人類』たち」(講談社)の著作に対して

[贈呈理由]次々と新発見が続くアジアの多様な原人について、化石発掘現場などを丹念に取材し人類進化の謎を紹介した。知的な興奮を呼ぶ好著である。

日本放送協会(NHK)報道局 政経・国際番組部 ディレクター 安部康之(あんべ・やすゆき)殿、同 チーフ・プロデューサー 相沢孝義(あいざわ・たかよし)殿
クローズアップ現代+「中国“再エネ”が日本を飲み込む!?」(2017/12/4)の番組に対して

[贈呈理由] 再生可能エネルギーの大量導入を進める中国の動向を紹介し、立ち遅れた日本の状況を浮き彫りにした。インパクトが大きく日本のエネルギー政策を考える材料を提供した。

特別賞(1件)

理科ハウス 館長 森裕美子(もり・ゆみこ)殿 
世界一小さな科学館「理科ハウス」の設立・運営に対して

[贈呈理由]神奈川県逗子市の住宅地にある手作りの科学館。「身近な科学館」を目指した設立趣旨と地域コミュニティから親しまれている活動ぶりが総合的に評価された。

 一次選考を通過した作品は、以下のとおりです。

作品名代表者名出版社名など種類
彷徨う針 子宮頸がんワクチンの行方ワクチン取材班下野新聞社新聞
「米空軍、研究者に8 億円 日本の延べ128 人」など、軍事と学術の接近に関する一連の特報千葉紀和毎日新聞新聞
つながりなおす 依存症社会(2017/1/3 ~ 6/29)小松恵永ら「つながりなおす」取材班信濃毎日新聞新聞
おクジラさま ふたつの正義の物語佐々木芽生集英社書籍
がんになる前に乳房を切除する 遺伝性乳がん治療の最前線小倉孝保文藝春秋書籍
災害史探訪 火山編伊藤和明近代消防社書籍
トランプ vs 科学 Post-truth に抗う(2017年7月号)編集長・古田彩日経サイエンス社雑誌
NNN ドキュメント「放射能とトモダチ作戦」(2017/10/8)加藤就一、有田泰紀ら日本テレビ映像
クローズアップ現代+「中国 “再エネ” が日本を飲み込む!?」(2017/12/4)安部康之、相沢孝義らNHK映像
NHK スペシャル「追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学立国ニッポン~」 (2017/12/10)片山宏昭、高橋裕太NHK映像
NHKBS1 GLOBAL AGENDA「人工知能AI × 倫理:リスクをなくすには」(2017/12/13)右近雅美、市原茂らNHK映像
ワセダクロニクル シリーズ「買われた記事」渡辺周早稲田大学ジャーナリズム研究所(運営)WEB
企画「びびり展」「ノーベル賞解説」などを組み込んだ展示森裕美子世界一小さな科学館「理科ハウス」企画展示
(特別賞候補)コウノトリのコウちゃん加古里子小峰書店書籍

科学ジャーナリスト賞選考委員(50音順、敬称略)
〔外部委員〕
相澤益男(国立研究開発法人科学技術振興機構顧問)、浅島誠(東京大学名誉教授、帝京大学特任教授)、白川英樹(筑波大学名誉教授)、村上陽一郎(東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授)、米沢富美子(慶應大学名誉教授)
〔JASTJ内部委員〕
小出重幸、柴田鉄治、佐藤年緒、林勝彦、室山哲也、(同賞担当理事、第一次選考審査)滝順一