現場取材2 10月22日(土) 「国立研究開発法人防災科学技術研究所(茨城県つくば市)」

 2回目の実習は現地のみ。塾生8人を含む13人が参加しました。防災科学技術研究所(防災科研)では、災害をしなやかに乗り切る力「レジリエンス」を総合的に高めることに取り組んでいます。広報・ブランディング推進課の今野公美子さんから、防災科研の取り組みについて聞きました。

 

  次に、防災科研のアウトリーチを代表する「Dr.ナダレンジャーによるおもしろ科学実験教室」の実演と取材です。会議室をでると、さまざまな展示物があります。説明を聞きながらDr.ナダレンジャーの秘密基地へ移動しました。

 Dr.ナダレンジャー(納口恭明(のぐち やすあき)さん)と助手のナダレン子(罇優子(もたい ゆうこ)さん)が変身したらショーの開始!と思ったら…。

 まずは「皿回しリレー」。

 リラックスしたところで、新たに開発した「積乱雲の発生実験」が始まりました。ベナール対流の実演です。雲ができあがるまで、空気砲とうちわ…ではなく「突風マシン」による突風を体験しました。

 つづいて、Dr. 雪崩んじゃー(Dr. ナダレ・ンジャー:「レ」の後で息継ぎ)の専門である「なだれ実験」です。世界初!ピンポン球30万個のなだれ模擬実験の写真と、発泡スチロール粒子のなだれ実験による説明。なだれの頭と尻尾、小さななだれが後ろの大きななだれに飲み込まれる様子を見ました。

 なだれシミュレーター「ナダレンジャー」による、なだれ体験。なだれの怖さも想像できます。なぜピンポン球を使ったのか、なぜ「ナダレンジャー」に水を入れているのか…などの疑問がとけ、物理の教科書を広げてみようかと思いました。

 次は地震。地盤液状化現象シミュレーター、ペットボトルの「エッキー」です。マンホールが浮かんだり、電柱が沈んだりする瞬間がわかりました。

 最後は共振現象シミュレーター「ゆらゆら」。1Hz(一往復1秒)のリズムで「ゆーらーゆーらー」「ハイハイハイハイ」と歌いながらゆらします。ゆらすリズムを変えると大きく揺れる建物が異なります。

 耐震構造の代わりに柔らかい素材を台紙にしたものではどうなるのでしょうか?…いろいろ工夫してみたくなります。

 Dr.ナダレンジャーのショーは、ネタだけでなく、台詞まで公開されています。

 コロナ禍でサイエンスショーに閑古鳥が鳴く間、新たな実験の開発を行っていたとのこと。次のサイエンスショーも楽しみです。
 サイエンスショーの次は、納口さんの取材です。ショーでは、一方的に伝えるのではなく、参加者の様子にあわせて進めていました。質疑応答でも、伝える相手に、伝えるべきことを、伝たわるように伝える、その真摯さまでもが伝わってきました。

 プラスチックパイプでつくった、納口さんの縦笛と罇さんの横笛の「ほたるの光」のお見送りで秘密基地を後にしました。

 プログラム終了後は、広報・ブランディング推進課のみなさんのガイド付きのお散歩。水蒸気の量を測定するマイクロ波放射計やレーダーなどを見学しました。

写真・⽂ スタッフ 都丸亜希⼦