10月26日の取材実習は、愛知県岡崎市の基礎生物学研究所に拠点をおくアストロバイオロジーセンター(ABC)の滝澤謙二・宇宙生命探査プロジェクト室長講師に、オンラインで話を聞いた。塾生20人、講師・スタッフ8人の計28人が参加した。
滝澤さんは、生物学の視点からアストロバイオロジーを説明。「地球上の生物のことはかなりわかってきたが、地球だけでは限界がある。地球外にはたくさんの惑星がある。普遍的な生物学へ作り直したい」と、アストロバイオロジーに挑む理由を語った。
一方で、「そもそもアストロバイオロジーは生物学なのか、という問題がある。『アストロバイオロジーであっても、バイオロジーではない』と生物研究者より批判を浴びることがある」と話し、「地球生物の観測、そこから発展させていきたい」と自らの研究方法を紹介した。
また「若い研究領域なので、論文発表や成果は難しい」「バイオロジーとアストロノミーの両方を勉強できるが、研究者になるのは難しいかもしれない」など、研究分野の抱える課題についても説明した。
ABCのセンター長・田村元秀さんも、オンラインで参加。「アストロバイオロジーは、21世紀を代表する学問であり、2030年代には一番メジャーフィールドになっていると見る人が多い。学生には『21世紀の科学にかけてみないか』と話している」と語った。
塾生からも「アストロバイオロジーの魅力は見つかるかわからないことに挑戦することだと思う」などの意見が出た。
文・写真 スタッフ 知野恵子