9月4日(木)19時より、日比谷図書文化館小ホールにて、第23期科学ジャーナリスト塾の開講式が催されました。今期の塾生は20名です。そのうち12名が会場に集まり、海外にいる塾生を含めて7名はオンラインでつながり、ハイブリッドを生かした顔合わせの場となりました。

はじめに室山哲也会長が「塾では表面的な情報の確保ではなく、現代をどういう切り口で、どのように人に伝えるのかを学んで欲しい。AIにできないことを身につけて欲しい」とエールを送りました。

続いて高橋真理子塾長が「科学ジャーナリズムと科学コミュニケーションとリスクコミュニケーション」と題したミニ講座でこの3つの関係を説明し、「塾では3つが重なり合う部分で必要となる『伝える』『訴える』スキルを学びます」と伝えました。

塾生の自己紹介では、各々が多彩なバックグラウンドを披露し、「専門分野を分かりやすく伝えたい」「企画力をつけたい」「自己流を脱したい」といった抱負を語りました。

また、複数回受講している塾生は、「毎回発見がある」と今期への期待を寄せました。

今期の講義もオンラインが中心です。①オンデマンドで録画講義を視聴、②塾生から講師へ質問を送付、③質問をもとにライブZoom講義でディスカッション、の順に展開され、活発な学びが期待されます。一方、10月の取材実習は現地を訪問するリアルの機会となります。また、塾生はいくつかの宿題と最終作品に取り組みます。
講師陣は、講義を行う講師、宿題の添削や指導を行うアドバイザー、塾生の最終作品の相談相手となるメンターから成ります。開講式にはオンラインを含めて15名が参加し、さまざまなメディアでの経歴など、自己紹介するとともに、「講師も塾生も互いに学び合うことが大切」「長い目で継続的に学んで欲しい」と塾生を激励しました。

中でも瀧澤美奈子副会長の「AIが書く文章は肉声ではないと感じる」という言葉が印象的でした。

半年後、塾生のみなさんの最終作品から、一人ひとりの肉声が聞こえてくることを楽しみにしています。

文:中川僚子
写真:滝順一、都丸亜希子