福島原発事故のその後を再検証

 21世紀を代表する重大事故を引き起こした東京電力福島第一原子力発電所。各地ではいま、何事もなかったかのように原発の再稼働が進んでいます。しかしこの事故をめぐっては、多くのナゾが未解明なままです。これらの問題点をはじめ、“第二の敗戦”とまで呼ばれれたこの事故がその後の日本をどう変えたのか、あるいは変えなかったのかなどを検証し、科学ジャーナリズムがいま果たすべき役割を模索したいと思います。

視点

 事故後間もなく、政府・国会・民間・東電がそれぞれ事故調査委員会を立ち上げ、報告書を発表しました。これらの報告書の内容を検証するためにJASTJ会員有志が集まり、「なんでも検証委員会(原発事故の『3つの事故調』の結果を再検証する委員会)」を立ち上げました。そして、その成果を『4つの“ 原発事故調 ” を比較・検証する~福島原発事故13のなぜ~』(2012年12月発行)と『徹底検証!福島原発事故 何が問題だったのか』(2013年3月発行)という2冊の本にまとめました。

 しかし、事故原因は地震か津波かといった基本的な点に関しても確定的な結論に至らぬままです。多数の課題を残したまま再稼働が着々と進行、原発事故は風化し始めているのが現状です。

 そこでいま一度、「なんでも検証プロジェクト」を立ち上げて、福島原発事故の残された問題点や、原発再稼働に突き進む日本社会の在り方などを再検証したいと考えました。そのため、あらためてJASTJ会員に参加を呼びかけ、2017年6月に「福島原発事故再検証委員会」を立ち上げました。

プロジェクトメンバー

・呼びかけ人
 柴田鉄治、林勝彦、高木靱生

・他のメンバー
 荒川文生、伊藤隆太郎、大江秀房、倉又茂、中道徹、西野博喜

これまでの活動成果

3つの原発事故調の代表者にインタビュー