JASTJから8人参加!次回は2027年ロンドン、次々回は2029年北京

 

副会長 高橋真理子

第13回科学ジャーナリスト世界会議(WCSJ)が2025年12月1日~5日の日程で南アフリカの行政首都であるプレトリアで開かれた。「科学ジャーナリズムと社会正義:理解とレジリエンスを築くジャーナリズム」というテーマのもと、73カ国から450人を超える科学ジャーナリストや専門家が集まり、日本科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ)からは8人が参加した。

JASTJから参加した8人

会場となったのは南アフリカ政府の研究開発機関・科学産業研究評議会(CSIR)の国際会議場(ICC)で、2日から4日にかけて58のセッションがあった。アフリカ大陸で初のWCSJであり、アフリカで活動するジャーナリスト向けのセッションも目立ったが、「誤情報への対応」「AIとの向き合い方」「気候変動問題の伝え方」などグローバルに共通する課題も多く取り上げられた。

会期中に開かれた世界科学ジャーナリスト連盟(WFSJ)総会には、JASTJを代表して小出重幸・国際委員長が出席。小島あゆみさんは日本医学ジャーナリスト協会(MEJAJ)にも所属しており、その代表として参加した。国際連合は「国」の集まりだが、WFSJは「科学ジャーナリストの協会」の集まりである。日本からはJASTJとMEJAJの2団体が加盟している。総会では、事業報告と会計報告などが承認された(詳細は小出原稿)。

また、総会に先立ち2日に第15回世界会議の招致演説会が開かれた。第14回は2027年にイギリス・ロンドンで開催と決定済みだ。2029年開催地として名乗りを上げたのはオーストラリア・アデレードと中国・北京で、演説会では活発な質疑応答があった。

招致演説会で熱弁をふるうオーストラリア代表(写真提供:WCSJ2025

オーストラリアは2007年にメルボルンで第5回WCSJを開いている。だが、第14回のロンドンも2009年の第6回に続く2回目だ。同じ国で開くことに支障はない。ただ、資金獲得が十分に進むのか、懸念する質問が出ていた。一方で、科学技術大国となりつつある中国は、取材対象として魅力的だが、報道の自由に制限があるのは周知の事実だ。国際NGO「国境なき記者団」が毎年発表している「世界報道自由度指数(World Press Freedom Index)」2025年版では、ランク最下位はエリトリア、次が北朝鮮で、中国はその次である。下から3番目というこのデータを紹介して「参加者は自由にリポートできるのか」と質す参加者もいた。中国代表は「中国は、科学者たちの成果を広く世界に報道してほしいと願っている。ウィンウィンの関係になるはずだ」などと説明、「中国の報道の自由度が上がるように皆さんも協力してほしい」と訴える一場面もあった。

その後の審査は連盟理事会に任され、4日の閉会式で「北京」と発表された。

閉会式で2029年の開催地が「中国」と発表され、喜ぶ中国代表

12月1日と5日を中心に実施された現地視察(フィールドトリップ)は、人類化石の発掘研究現場や電波望遠鏡、動物保護区、大学の研究室訪問など21のコースがあり、充実していた。

各地で奮闘する科学ジャーナリスト、コミュニケーターと知り合いになれるのは世界会議の醍醐味である。JASTJから参加した8人は、それを存分に味わっていた。

第13回科学ジャーナリスト世界会議 2025年 南アフリカ・プレトリア ページTOPへ戻る