世界科学ジャーナリスト連盟の強靭さを示した 年次総会

 

副会長 小出重幸

世界科学ジャーナリスト連盟(WFSJ)2025年次総会は、12月3日午後3時から科学産業研究評議会(CSIR)国際会議場のダイヤモンド講堂で開催され、加盟する45団体中34団体の代表が参加した。会場には24団体の代表者が入り、10団体の代表はオンラインで参加する「ハイブリッド会議」だった。

WCSJの会場となったCSIRの国際会議場入口

2023年3月コロンビアでの世界会議では、新型コロナの影響で事務局が機能しなくなったことを理由に総会が開かれなかった。その後も連盟の会計担当理事が財務情報にアクセスできないなど運営の混乱が続き、世界連盟は2024年6月に臨時理事会を開いて会長と副会長を解任して新体制を作った。その結果、混乱は収まり、以前にも増して活動が活発になっていることを印象づける総会となった。

世界連盟は2024年11月20日にハンガリー・ブダペストで年次総会を開き、6月の改革に対する会員からの支持を取り付けた。今回の総会では、最初にこのときの議事録が示され、賛成多数でこれを承認。続いてベン・デイトン会長がこの1年の「年次活動報告」を説明し、会計担当のジャンマルク・フルーリー理事が決算報告をした。

デイトン会長は、「科学ジャーナリストのための取材指針」を作成し、連盟公式サイト内の「科学報道の倫理」ページを充実させたことや、ルワンダで開催された「政府に対する科学的助言に関する国際ネットワーク」(INGSA)会合に科学ジャーナリスト4人を派遣、オスロで開催されたカブリ賞ウィークを取材する3人のジャーナリストに旅費支援を行ったことを報告。そして今回、アフリカで初めての世界会議を開き、連盟の最重要事業である世界会議が2年に1度のペースで開かれる基盤ができたと順調な運営を強調した。

会計担当のフルーリー理事は、2024年11月の年次総会では「使途の不明な支出が多額にあり、正常な決算報告ができない」としていた連盟の財務状況について、法律家を入れて詳細に調べた結果、「事務経費に約4万4千ドルが過大に計上されていたことがわかり、減額修正して不明点は解消された」と説明。一方、理事全員が無償で業務を行うなど財務状況の改善に努力、カブリ財団などの助成も復活して、財務状況は正常化されたと決算報告した。

また、新体制の理事も選任され、会計担当はカナダのロンダ・ムーア理事に引き継がれた。ジャンマルク・フルーリー理事と、チャトラ・カーキ副会長(ネパール)が退任し、役員は1人減って8人体制となった。これらの議事はいずれも参加代表の賛成多数で議決された。

総会終了後の参加者記念写真。前列中央のグレーの服を着ているのがフルーリー氏。
その向かって右がデイトン会長

第13回科学ジャーナリスト世界会議 2025年 南アフリカ・プレトリア ページTOPへ戻る