第11回科学ジャーナリスト世界会議(WCSJ2019)の報告書ダイジェスト

 WCSJ2019は、2019年7月1日から5日間、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のキャンパスにあるスイステック・コンベンションセンターをメイン会場として開かれました。世界83カ国から1360人が集まり、そのうち59%を女性が占めたことは少し話題になりました。

赤ちゃんを抱っこしながらプログラムに参加する女性も (撮影 三輪佳子)

 65のセッション、8つのワークショップ、5つの記者会見、9つのスポンサードランチョン、51のランチ@ラボ、36のフィールドトリップ、5回の交流会などとても盛りだくさんだったことが、報告書からも思い出されます。

フィールドトリップの中でも大人気だったセルンのツアー。セルン敷地内を移動中。  (撮影 三輪佳子)

 会場地下の展示会場には研究機関や国際組織など38団体がブースを出し、日本からは理化学研究所や国立天文台、北海道大学が出展していたのでJASTJからの参加者は挨拶に伺いました。

北海道大学の展示ブース (撮影 三輪佳子)

 プログラムについては「STATE OF OUR TRADE」「BEYOND CHEERLEADING」「SKILLS AND TOOLS」「SCIENCE」「FUN AND ENTERTAINMENT」の5つのカテゴリーで最先端の科学の話題や科学報道のあり方、抱える課題などを議論しました。報告書の26ページから46ページに渡って詳しく紹介されており、ビデオカメラのアイコンがあるセッションはYouTubeでその模様を見ることができます。

 336人が登壇した中に、日本人が5人いましたのでそのプログラムをご紹介します。登壇者のツイッターアカウントにはリンクをはりました。

▼Fake-news in science: How to recognize and fight it(32ページ)
 医師・ジャーナリストの村中璃子さん(@rikomrnk )
 ※セッションの動画

▼Let’s Manga! Science told through comics(38ページ)
 理系漫画家のはやのんさん(@rikei_hayanon )
 人間文化研究機構の高祖歩美さん(@iyoumek )

 

左からクラウディア・フランドリさん、マテーオ・ファリネラさん、はやのんさん、高祖歩美さん (撮影 柏野裕美)

▼Science on television: How to continue reaching audiences?(60ページ)
 NHK 長谷英里子さん

 

▼ Fuse Workshops: Augmented Reality powered by Wellcome Trust and Artificial Intelligence powered by Journalism AI (LSE Polis and Google News Initiative)(61ページ)
The Lookout Stationの椿 梨奈さん(@wildflyingpanda )

椿梨奈さんが企画したセッションに登壇してMLとAIについて話すQuartz AI Studioのジェレミー・B・メリルさん (撮影 柏野裕美)

 98ページからはWCSJ2019のコミュニケーション戦略が紹介されており、SNSの分析結果が報告されています。JASTJ会員にはジャーナリストやライターだけではなく、広報やコミュニケーションに携わる方が多くおられますので、分析手法など参考にされてはいかがでしょうか。

 交流会の様子なども写真付きで紹介されているので、英語が苦手な方も写真や動画で雰囲気を味わえると思います。
是非、ダウンロードしてお時間ございます時にご覧ください。

柏野裕美(JASTJ国際委員会委員、WCSJ2019参加者)