第10回 2月22日【リアル開催・日比谷図書文化館】修了式+大質問大会

 第20期科学ジャーナリスト塾の修了式を2月22日、日比谷図書文化館(東京都千代田区)で開催しました。今期は北海道や大阪など遠方からの塾生もいため、オンラインでも繋ぎ、塾生と講師陣合わせて会場で32人、オンラインで6人が参加しました。

室山哲也 JASTJ 会⻑

 冒頭、室山哲也会長は「塾を通して自分は何を得たのか、どこが変わったか、自分に問うてみてほしい。文章などを指摘されて悔しいこともあったかもしれないが、苦労したプロセスが大切。そして今度はぜひJASTJに入会して、塾でやり残したことを実現させてほしい」と挨拶しました。

高橋真理子塾⻑

 高橋真理子塾長は、開講式で提示した「科学・技術」「訴える」「伝える」の領域が重なったベン図を今回も見せ、「塾生のバックグラウンドは多様で、どの領域に関心を持っているかは人それぞれだと思いますが、どのパーツも社会とつながっていることを今後も意識してほしい」と話しました。
 次は、修了証を授与するセレモニー。塾生18人のうち、文章やプレゼンの作品を締切日までに提出した10人には修了証、締め切り日を過ぎて提出した2人には受講証、提出できなかった塾生にもミニ受講証を渡しました。塾生は一言ずつ挨拶。「情報発信することが楽しくなったので、動画チャンネルを作るなど今後の仕事に生かしたい」「自分は研究者を目指していてジャーナリストになるわけではないが、ジャーナリストが科学や科学者をどう捉えているか理解できた」など、それぞれに得たものがあるようでした。締め切りが守れなかった塾生からは「受講証を壁に貼って、これからは締め切りを守るように戒めとしたい」とユーモアを交えたコメントもありました。

 セレモニーのあとは、塾生が講師に何でも質問してよい「大質問大会」です。「今後もはたして科学の本を読んでくれる人はいるのだろうか」という講師陣もドキリとさせられる質問がありました。元岩波「科学」編集長の吉田宇一さんは「AIが文章を書く時代になり、フェイクを見破るには学ばなければならない。これからの時代こそ、科学本や科学ジャーナリズムは大切になる」と話しました。

吉田宇一さん
参加者全員での記念写真

 終了後、会場参加の希望者のみ地下1階のカフェに移動し、懇談しました。9月から2月まで続いた塾のカリキュラムの中で、リアルで顔を合わせたのは開講式と修了式、自由参加の取材実習のみ。塾生同士がコミュニケーションを取る機会が少なかったのは少し残念ではありますが、コロナ禍でも科学ジャーナリスト塾として学びの場を形成できたことを、うれしく思います。

写真・⽂ スタッフ 都丸亜希⼦