深刻化を増す海洋の異変 ―観測データが示す気候変動―
新型コロナウイルスの感染が社会問題になっていますが、今年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、やはり気になるのは温暖化対策。そこで3月の月例会は、最近の異常気象に関係する海洋気候に焦点を当て、長年海洋観測を続けている気象研究所の専門家、石井雅男氏をお招きし、話を聞きます。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、いま世界の海で雪氷融解、高水温化、水位上昇、酸性化などが進行しており、生物、人間の環境に多大な影響を与えつつあります。日本でも記憶に新しいのは、昨年の猛暑や台風19号などの襲来。これらの気象の激甚化は日本列島周辺の海洋の高水温化に起因され、今年も同じ状況が予想されます。
IPCCは昨年9月に「海洋と雪氷圏」特別報告書をまとめたばかりです。気候変動枠組み条約に基づくパリ協定は今年から本格始動し、実施段階に入りました。石井氏にはIPCCの特別報告書の内容を、気象研が長年観測してきたデータとともに日本周辺で起きている現象を中心に解説いただき、今後の温暖化対策を考える機会にいたします。
講師: 石井雅男氏(気象研究所 気候・環境研究部長)
日時: 2020年3月19日(木) 午後7時〜9時
場所: 日本プレスセンター 8階会議室(東京都千代田区内幸町2-2-1)
石井 雅男(いしい・まさお)さん
略歴 1989年3月名古屋大学大学院理学研究科博士課程(化学専攻)修了、同年4月気象研究所地球化学研究部。海洋・地球化学研究部の室長などを経て現職。長年にわたり海洋の物質循環の観測・研究に従事し、世界気象機関やユネスコ政府間海洋学委員会などが後援する全球海洋観測システムの生物地球化学パネル共同議長。IPCC 第1作業部会 第6次評価報告書の作成に第5章のリードオーサーとして関わる。専門は大気・海洋の炭素循環。
参加希望の方は下記URL先に、 3月15日(日)までにお申し込みください。会員以外の方の参加も可能です(仕事、勤務先、メール連絡先を明記いただきます)。
お申し込みURL:http://bit.ly/jastj_202003m
※会員と塾生(第18期修了生)は無料。学生は500円、その他の方は参加費1,000円をいただきます。
★例会報告の原稿執筆者を募集
原稿は1,300字前後で締め切りは5月末。2020年6月末に発行する会報95号に掲載します。ご協力いただいた方には図書券3,000円をお贈りいたします。原稿執筆に不慣れな方や塾生(第18期)も歓迎いたしますので、執筆希望者は事務局までご連絡ください。