科学ジャーナリスト塾第18期(2019年9月〜2020年2月)

18期塾生作品

【 目 次 】


■第10回 2月13日(木) 修了式と大質問大会

 半年間の長かった塾もようやく最終回を迎えました。作品作りを通して、きっとさまざまなことを学んだことでしょう。お疲れさまでした!

 修了式では修了証が室山哲也塾長より一人一人に手渡されました。

 修了式は主催のJASTJ理事も多く参加しました。修了証授与の後は理事たちに質問したいことを出し合い、大質問大会が繰り広げられました。日ごろ聞きたかったことがたくさんあったのでしょう。付箋に書かれたたくさんの質問が壁に貼られました。

 理事たちもいろいろと聞かれて嬉しそうです。会は和やかに進行しました。

 最後はみんなで集合写真を撮りました。

 

 文:塾サポーター 早野富美
撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■第8・9回 1月16日(木)・2月6日(木) 作品発表 

 いよいよ塾の集大成です。塾生の作品発表が2回にわたって行われました。文章作品の指導を担当した内城喜貴さんと高橋真理子さん、そして室山哲也塾長と瀧澤美奈子副塾長から、塾生の作品に対して、一人一人アドバイスをもらいました。

 塾生の作品は全員の前でアドバイスを受けます。皆、熱心にメモを取ります。

 他の塾生からの質問や意見など、発言は自由です。「そんな考え方もあったのか」とびっくりするような発言も時には飛び出してきました。

 

 

 

 

 

 文章作品の次はプレゼン作品の発表です。文章作品と同じように塾生たちの前で披露されました。

 塾生はこれまでにお互いを切磋琢磨しながら作品作りに取り組んできました。作品の完成に向けてもうひと頑張りです。

 文:塾サポーター 早野富美
撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■現場取材3  12月14日(土) 「国立健康・栄養研究所(新宿区戸山)」

 我が国の栄養研究の中心を担う国立健康・栄養研究所を見学しました。2020年には100周年を迎えると言います。

 最初に、理事長兼所長の阿部圭一さんの説明を聞いた後、本研究所の長い歴史についてビデオを見ながら学びました。貴重な映像の数々は大変興味をそそり、皆熱心に見入っていました。

 次にこちらの研究所で行われている研究内容が紹介されました。

 栄養・代謝研究部の田中茂穂さんはエネルギー代謝研究について説明しました。日常生活におけるエネルギー消費量や身体活動量の評価、肥満予防に有効な生活習慣の解明などの研究の話を通じて、私たちの身体のエネルギー代謝について基本的な知識を得ることができました。

 食品保健機能研究部の千葉剛さんは「健康食品」の安全性・有効性の情報について解説しました。さまざまな論文を基に情報をデータベース化して発信していて、そこには健康食品の素材情報だけでなく健康被害の関連情報も掲載されています。

 目的は消費者へ正しい情報を伝えること。健康食品を適切に利用するためには広告や報道などの発信する人たちへの協力も必要だと述べました。情報を正しく伝えるための情報ソースや姿勢など、多くのことを学びました。

 栄養疫学・食育研究部の瀧本秀美さんは、1日に必要なエネルギー量や栄養素など疾患予防や重症化予防の観点で日本人の食事摂取基準について話しました。

 研究紹介の後はいよいよ所内の見学です。

 ヒューマンカロリーメーターを見学しました。1日のエネルギー消費量を測定するための実験施設です。

 

 

 

 

 

 昼過ぎからのスタートでしたが、終了して研究所を出た時にはすっかり暗くなっていました。

 文:塾サポーター 早野富美
撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■第7回 12月12日(木) 講義6「Webの海の泳ぎ方」

 今回はWebニュースのサイトをいくつも立ち上げたことのある亀松太郎さんが講師を務めました。

 まさにWebという広大な海の中を泳ぎながらインターネット時代の第1人者のひとりとして活躍されています。

 Webのニュースサイトは現代の私たちにとっては最も身近なものであるにもかかわらず、その制作現場の話はこれまでほとんど聞く機会がありませんでした。

 塾生たちは亀松さんの話を聞いて、Webという新たな世界が広がったのではないでしょうか。

 文:塾サポーター 早野富美
撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■第6回 11月21日(木) 講義6「編集の仕方、まとめ方」

 今回は信濃毎日新聞特別編集委員の飯島裕一さんが、長野から駆けつけてくださいました。

 飯島さんは「編集とは何か」を新聞編集のプロの視点で解説しました。

 

 

 

 

 

 新聞編集の実際は、塾生それぞれが作品作りにも直結する話です。聞き漏らさないように真剣です。書き出す前に必要なことは「誰に何を伝えたいのか」に照準を合わせることだと飯島さん。

 取材の仕方について質問する塾生。多くの取材経験を基に、時に笑いも交えながら詳しく答えてくれました。特に取材で大切なのは人間関係をつないでおくことだそうです。

 文:塾サポーター 早野富美
撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■第5回 11月7日(木) 講義4「映像の作り方、伝え方」

 物質・材料研究機構(NIMS)広報室長の小林隆司さんが講師を務め、科学を一般の人にもわかりやすく効果的に伝える映像の作り方を説明しました。

 小林さんはNHKでディレクターを務めていた時には「ためしてガッテン」などを手掛けていました。その時のノウハウを生かし、今ではNIMSで科学映像チャンネル「まてりある’s eye」を制作しています。チャンネルの登録者数は10万人を突破する勢いです。

 子どもたちの心を掴む科学映像の作り方に塾生たちは興味津々で聞き入っていました。

 文:塾サポーター 早野富美
撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■第4回 10月24日(木) 講義3「文章の書き方、構成の仕方」

 文章講座の講義担当は高橋真理子さんと内城喜貴さんです。高橋さんは、朝日新聞の東京本社科学部エディター(部長)や編集委員などへて、現在、科学コーディネーター。朝日新聞の言論サイト「論座」の執筆と編集者を務めながら、朝日小学生新聞のコラム「天声こども語」も執筆しています。内城さんは、共同通信社の科学部、ワシントン支局、科学部長などをへて、現在、共同通信社客員論説委員、科学技術振興機構(JST)サイエンスポータル編集長などを兼務しながら、キャリアカウンセラー・コンサルタント(国家資格)を生かした一橋大学キャリア支援室非常勤アドバイザーとしても活躍しています。

 まず「皆さんが悩んでいることは何ですか?」という問いかけから始まりました。

 

 

 

 

 

 そして、多くの人に伝える文章は、何をどう書くのか、伝えるために何が必要であるのか・・・。文章の書き方のポイントやタイトルのつけ方などのテクニックの話だけにとどまらず、独りよがりにならない文章の心得などにも話は広がりました。

文・撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■第3回 10月3日(木) 講義2「企画メモを発表(文章かプレゼンか決定)」 

 

 

 

 

 

 今日は、各自が作成した企画メモの発表会です。アドバイスは、NHKでディレクターやプロデューサーとしてNHKスペシャルやクローズアップ現代などで多くの科学系の番組を制作し、元NHK解説委員である室山哲也塾長と、「150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか」など多数の著書をもつサイエンスライター瀧澤美奈子副塾長です。

 それぞれの企画に対する思いを説明し・・・。

 

 

 

 

 

 意見をぶつけ合いました。

文・撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■現場取材2 9月25日(水)〜27日(金)「国際福祉機器展(東京ビッグサイト)」

 9月25日(水)〜27日(金)に開催されている第46回国際福祉機器展はアジア最大規模の総合福祉機器展です。

 

 

 

 

 

 

 室山塾長の配慮により、今年も事前登録をした塾生は、この3日間プレスとして自由に取材できます。国内外400社をこえる出展ブースを取材するだけでなく、国際シンポジウムや特別企画、セミナーなど、様々な視点による取材に取り組みました。

文・撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■現場取材1 9月21日(土) 「日本アイソトープ協会本部、仁科記念財団(文京区本駒込)」

 日本アイソトープ協会、仁科記念財団の敷地内に仁科芳雄博士の旧理化学研究所の執務室が保存されていました。この現場取材は建物の老朽化のために取り壊されることになった執務室を見学する最後の貴重な機会になりました。

 理化学研究所仁科加速器研究センター特別顧問の矢野安重さんから仁科博士の業績とともに理化学研究所の歴史についてレクチャーを受けました。

 レクチャーの後は仁科記念財団と放射線施設を見学しました。

 矢野さんの説明を聞きながら仁科記念財団が入っている建物に移動しました。

 

 

 

 

 

 仁科記念財団には仁科博士の執務室が保存されています。いよいよ執務室に入ります。

 執務室に入ると、そこには仁科記念財団の歴代理事長の写真が飾られていました。

 仁科博士の絶筆となった黒板も保存されていました。

 黒板の先には机が置かれていました。座ることができたので、希望者は座って執務室の雰囲気を楽しみました。

 

 

 

 

 

 

 執務室を後にし、次は放射線施設を見学しました。放射線取扱主任者をはじめとする資格取得を目指す人、アイソトープを利用する専門技術者、新規取扱者に向けての教育の場として使われている施設です。

 専用の衣服とスリッパをはいて施設内に入りました。放射線量測定器を見たり、説明を聞いたりしました。塾生は積極的に質問していました。

 

 

 

 

 

 施設は放射線チェックをしてから退出しました。

 

 日本アイソトープ協会の現場取材では、旧理化学研究所の執務室を訪れる機会を得ることができました。貴重な資料を拝見しながら、理化学研究所の歴史を取材できたことで、塾生は普段とは違った刺激を受けたのではないでしょうか。

文・撮影:塾サポーター 早野富美


■第2回 9月12日(木) 講義1「テーマの立て方、取材・写真撮影の仕方」 

 まずは、テレビマンである室山哲也塾長による「取材の仕方」。「質問は網だ(斎藤孝)」の言葉から始まりました。質問の仕方は2種類――「閉じた質問」と「開いた質問」。どんな魚がとれるようになるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 続いて、「写真の撮り方」の講義。そして、宿題である「これが東京だ」をテーマとした塾生撮影の写真のお披露目会です。

 切り取った断面の向こうには、どんな物語があったのでしょうか。

 そして、本日のメイン講師である軍司達男さんの「企画はどのようにして生まれるか?」。軍事さんは、NHKの科学番組のディレクター、プロデューサーとして数々の科学ドキュメンタリーやNHKスペシャルなどを作成。科学番組部長やNHKエデュケーショナル社長をへて、現在もTV制作会社で企画担当のプロデューサーを務め、ウェブ「メディアの風」でコラムも発信しています。

 

 

 

 

 

 実際に手掛けた「プロジェクトX」などを例に、企画書の書き方や企画に必要な力などを講義。これに対する意見が飛び交いました。

文・撮影:塾サポーター 都丸亜希子


■第1回 9月5日(木) 塾の開講 塾のガイダンスとお互いの自己紹介、質疑応答 

 第18期の科学ジャーナリスト塾が2018年9月5日(木)、日本プレスセンター8階の特別会議室で開講しました。今年は22名の塾生を迎えることができました。皆さん、塾長のガイダンス説明を熱心に聞き入ります。

 塾の開講に駆けつけた、JASTJ理事の皆さんからも一言ずつ激励のご挨拶をいただきました。

 塾生の皆さんから2分ずつの自己紹介が始まりましたが、実にさまざまな所属や背景を持つ方たちが参加されているということが明らかになってきました。

 自己紹介のあと、他の塾生からの質問タイムに入るのですが、今年の塾生たちは「質問力」がなかなかすごいです。

 ユニークな質問が飛び交ううち、すっかり場は和み、にこやかなムードになってきました。

 次は、「名前」と「私のキーワード」を書いた紙を前に掲げて持ち歩き、一対一で自己紹介をし合う「回遊コミュニケーション」の時間です。

 次々と相手を見つけては、互いを紹介し合うのですが、ここでもまた盛り上がりすぎて、終わりという合図が聞こえず、話し込んでいる塾生もちらほら。

 最後は、質疑応答と次回の宿題「これが東京だ」の1枚写真の提出について塾長が説明して第一回の終了となりました。

 第一回からかなりにぎやかな雰囲気でしたので、今年の塾はとても盛り上がりそうな予感が早くもいたしました。

 文:塾サポーター 富樫一夫
撮影:塾サポーター 都丸亜希子


第18期 科学ジャーナリスト塾 塾生の募集を開始

「コミュニケーションの極意を学ぼう!!~プロのジャーナリストが文章やプレゼンを指南~」

 「自分の考えがまとまらない」「人にうまく情報を伝えられない」あなたはそんな悩みをお持ちではありませんか?日本科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ)では、情報を伝えるために必要な「企画力」「取材力」「構成力」「表現力」をプロから学ぶ「科学ジャーナリスト塾」を開講します。 講師陣は、著名なジャーナリストやプロデューサーばかり!長年の活動で身に着けた「取材」「表現」の極意を、あなたに伝授します。さあ、一緒に始めましょう。

■塾の内容

 科学的思考は、物事の本質を見抜き、分析し、整理し、組み立てる、普遍的な技術です。それは、政治、経済、文化などあらゆることにも通じます。

 科学ジャーナリスト塾では、プロのジャーナリストやプロデューサーを講師として招き、「企画の立て方」「取材の仕方やまとめ方」「文章やプレゼンの仕方」などを総合的に学びながら、現場取材も行い、コミュニケーション力を身につけていただきます。学習の集大成として「作品(記事かPPTプレゼン)」つくりにも挑戦し、最終的に発表していただきます。テーマは、基本的に自由ですが、塾が準備した現場取材をもとに設定することも可能です。完成作品は、JASTJのHPや会報でも紹介する予定です。

※ 昨年の塾の活動の様子は以下のホームページで見ることができます。https://jastj.jp/tcsj/
※ 塾の修了者のコメントも見ることができます。https://jastj.jp/tcsj/graduates/

■期間
2019年9月5日(木)にスタート。原則第1、第3木曜日の午後7時~9時、2月の修了時まで計10回(状況に応じて変則スケジュールあり)。
取材先は複数用意する予定です(通常授業とは別の日時です)。

■場所
日本プレスセンタービル8階特別会議室(千代田区内幸町2-2-1)。
実習内容によっては場所を変える場合があります。
最寄駅は 地下鉄「霞ヶ関駅」下車2〜5分、都営地下鉄「内幸町」下車2分。

■スケジュール(予定)

2019年
 ①     9/5(木)ガイダンス(室山、瀧澤、柏野、事務関係者ほか)
 ②   9/12(木)講義1「テーマの立て方、取材の仕方」(軍司、室山)
 ③   10/3(木)講義2「塾生:テーマ発表」(企画メモを提出)(室山、瀧澤)
 ④ 10/24(木)講義3「文章の書き方、構成の仕方」(高橋、内城)
 ⑤   11/7(木)講義4「映像のつくり方、伝え方」(小林)
 ⑥ 11/21(木)講義5「編集の仕方、まとめかた」(飯島)
 ⑦ 12/12(木)講義6「Webの海の泳ぎ方」(亀松)

2020年
 ⑧   1/16(木)作品発表(文章)+指導(高橋、内城、添削協力理事)
 ⑨     2/6(木) 作品発表(プレゼン)+指導(室山、瀧澤ほか)
 ⑩   2/13(木)修了式+大質問大会(講師全員+JASTJ理事多数)
 ⑪ WEB発表

■講師紹介

  • 室山哲也(JASTJ塾長、元NHK科学番組プロデューサー+解説主幹)
  • 瀧澤美奈子(JASTJ副会長、サイエンスライター)
  • 軍司達男(元NHKエンタープライズ社長、NHKスペシャルプロデューサー)
  • 高橋真理子(JASTJ理事、朝日新聞科学コーディネーター)
  • 内城喜貴(JASTJ理事、共同通信社客員論説委員、JSTサイエンスポータル編集長)
  • 小林隆司(元NHKためしてがってんディレクター、物質・材料研究機構広報室長)
  • 飯島裕一(JASTJ理事、信濃毎日新聞特別編集委員)
  • 亀松太郎(関西大学特任教授、あしたメディア研究会)

■取材先(予定)

  • 国際福祉機器展(9/25-27、東京ビッグサイト)
  •  「仁科芳雄記念室とアイソトープ協会」見学会(9/21(土)午後、文京区本駒込)
  •  国立健康栄養研究所(時期未定:担当小出理事)
  • NEC画像認識研究最前線(時期未定:担当山本理事)

■塾受講料

25,000円/10回(JASTJ会員、賛助会員は10000円/10回)*部分参加はありません
現場取材の交通費など実費は原則、各自負担

■塾への申し込み方法

 希望者は、氏名、所属(または職業)、住所、連絡方法、メール、電話番号のほか、参加の動機(400字程度)を書いて、申し込みフォーム(https://forms.gle/MaaQJFhXKDdqCTV87)からお申込みください。

締め切り:8月31日まで。

※人数が定員(約20人)に達した時点で締め切ります。
※手続きについては受付後に連絡します。
※受講料は8月末までにお支払いいただきます。

■アドバイザー(五十音順)

縣秀彦(国立天文台天文情報センター普及室長)、鴨志田公男(筑波大教授、元毎日新聞論説委員)、小出重幸(JASTJ理事、元読売新聞編集委員)、佐藤年緒(JASTJ会長、元時事通信編集委員)、武部俊一(科学ジャーナリスト、元朝日新聞科学部長)ほか

■事務局スタッフ・サポーター

室山哲也(塾長)、瀧澤美奈子(副塾長)、柏野裕美(JASTJ理事、元塾生)、都丸亜希子(JASTJ理事、元塾生)、早野富美(JASTJ理事、元塾生)、今野公美子(朝日小学生・中学生新聞、元塾生)、富樫一夫(元塾生・17期)、斎藤俊明(元塾生・17期)、藤田豊(元塾生・15/16期)、寺沢和洋(元塾生・16期)他

■事務局
日本科学技術ジャーナリスト会議
〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-1日本プレスセンタービル8階848室
メール hello@jastj.jp ホームページ www.jastj.jp